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2025.03.25ブログ

大学共通テスト情報Ⅰを解説!「IPアドレス」

皆さん、こんにちは!タイムレスエデュケーションの山田です。前回は、大学共通テストの情報Ⅰにて出題された「チェックデジット」について解説しました。今回は、大学共通テストで出題された「IPアドレス」にについて解説したいと思います。


大問1問1bの出題内容


最初に、大学共通テストで出題された内容を確認しましょう。


問1 b 近年、128ビットで構成されるIPアドレスが利用されるようになった理由の一つとして最も適当なものを、次の0~4のうちから一つ選べ。


0. 有線LANだけでなく無線LANにも対応するため。


1. 大容量データの送受信に対応するため。


2. インターネットに直接接続する機器の増加に対応するため。


3. 漢字など絵数字以外の文字で表示されるドメイン名に対応するため。


4. HTMLの仕様変更に対応するため。


出典:独立行政法人 大学入試センター


解答と解説


この問題のポイントは「128ビットで構成されるIPアドレス」です。高校情報Ⅰの教科書では以下のように書かれています。


インターネットの利用人口の増加や、情報通信機器数の増大により、IPv4のアドレスはほぼ枯渇した。そのため、現在は128ビットで構成されたIPアドレスを用いるIPv6への移行が進められている。


参考文献


黒上 晴夫ほか 情報Ⅰ 日本文教出版社 2022


教科書の文章から、解答は2であることがわかります。IPv4のアドレスは2の32乗、つまり約43億個のアドレスが表現できるようになっていましたが、上記の理由により、足りなくなってしまいました。そこで、新しく用意されたのがIPv6です。こちらは2の128乗、約340澗個ものアドレスを表現することができます。ちなみに「澗」は「かん」と読み、1兆の1兆倍の1兆倍を表します。


関連ワードのおさらい


この問題は教科書の内容をしっかり押さえられているかがポイントでした。せっかくですので、ここからは、プロトコルとIPについて確認していきたいと思います。高校生のみなさんは覚えているか一緒に確認していきましょう。


プロトコル


コンピュータネットワークで通信を行う時に、送信側と受信側の間で通信手段やデータの形式の取り決めることをプロトコルといいます。インターネットでは、主にTCP/IPというプロトコルが使用されています。これは、通信でよく使われるいくつかのプロトコルの総称です。中心的な役割であるTCPとIPからこう呼ばれています。TCPはトランスポート層のプロトコル、IPはインターネット層のプロトコルです。実際の通信は下の図のように4階層モデルで行われています。


4階層モデル


4階層モデルの通信


次に、4階層モデルの通信の流れを見ていきましょう。データは送信する時に「パケット」に分割されます。そして、それぞれの階層で「ヘッダ」と呼ばれる宛先やパケットの順番を示す管理情報が付加されます。そして、受信されたデータはヘッダの情報に基づいて復元されます。図に表すと下の図のようになります。送信側ではそれぞれの層でヘッダが付加され、受信側では徐々に元のデータに復元されています。


4階層モデルでの通信


IPの役割


インターネット層のプロトコルであるIPの役割は、パケットを目的のコンピュータに届けることです。これをルーティング(経路制御)といいます。ですが、正しく届けるには、次にどこにパケットを送ればよいのかという情報が必要です。この情報はルーティングテーブル(経路制御法)と呼ばれ、ネットワークに接続されたコンピュータやルータが保持しています。この情報のおかげで、パケットは目的のコンピュータまで転送することが出来るのです。


IPアドレス


パケットを目的のコンピュータまで転送するために使われるのがIPアドレスです。インターネット上の全ての通信機器に割り当てられている固有の番号で、この番号のおかげで目的のコンピュータを特定することができます。身近なもので考えると、郵便物を届けるためには住所が必要ですが、IPアドレスも住所と同じ役割があるということです。


IPアドレスの表し方


IPアドレスは本来、2進数の0と1で表現されています。IPv4の場合は32ビット、IPv6の場合は128ビットの数値でそれぞれ表されているということですが、これだと人間にはわかりづらいです。そのため、読みやすい形に変えて表記されます。IPv4は、32ビットを8ビット(1バイト)ずつピリオドで4つに区切り、それぞれを10進法で表します。また、IPv6は128ビットを16ビット(2バイト)ずつコロンで8つに区切り、それぞれを4桁の16進数で表します。


IPv4の表し方


IPv6の表し方


終わりに


今回はIPアドレスについて解説しました。このように、大問1では基本的は知識が問われる問題が出題されていました。そのため、学習する際は、教科書の内容を徹底するところから始めて見るのが良いと思います。より詳しい解説をご覧になりたい方は以前解説した記事がありますので下記のリンクよりご一読ください。


【Part1】通信プロトコルの階層モデルについて(高校情報I) 


【Part2】通信プロトコルの階層モデルについて(高校情報I)


また、今年の共通テストでは、チェックディジット以外にも、様々な題材で問題が出題されていました。次回以降の記事では、他の問題で取り上げられていた内容に関するトピックで、また解説させていただければと思います。本日も最後までお読み頂き、誠にありがとうございました!次回の記事も楽しみにお待ち下さい。


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