2021.07.28ブログ
量子コンピュータとは?
こんにちは。代表の小林です。日本IBMが東大とパートナーシップ契約を結んで日本初のゲート型商用量子コンピュータを始動させたことがニュースで出ていました。量子コンピュータという言葉、皆さんは耳にしたことはありますでしょうか?今日はこれについて書いてみたいと思います。
通常のコンピュータ
通常のコンピュータは、ビットと呼ばれる0, 1 のデータを演算単位としています。データに対して順番に命令を実行し計算をして結果を求めるという流れになります。現在のコンピュータはノイマン型コンピュータと呼ばれているもので、1.命令とデータをメモリから読み出し、2.命令に従って計算を実行、3.計算結果をメモリに格納という3つの処理を繰り返し実行することで計算を行います。計算は基本的に個別に計算を行います。
量子コンピュータとは?
一方、量子コンピュータは、量子ビットと呼ばれる0,1が重ね合わさった状態のデータを扱います。データが0,1の2状態以外に存在します。このデータを使い、次のステップで計算します。1.量子ビットを用意します。2.量子力学の現象を利用して一括で計算をします。3.計算結果を読み出します。一括で計算をできることから、順番に計算を繰り返す従来のコンピュータと比較して性能が高くなる可能性を秘めています。ただ、計算結果を読み出すときに、量子ビットの状態が壊れやすいため、計算を失敗してしまうことがあります。そのため、扱いが難しいので実用化には時間がかかっていました。
利用する量子力学の現象によって方式が異なっており、量子ゲート操作を使ったゲート方式や、アニーリング操作を使ったアニーリング方式があります。素子の振る舞いの組み合わせで量子ゲートと呼ばれる計算回路を作り、問題を解く方式です。アニーリング方式は、「焼きなまし」と呼ばれる金属などが冷える過程で構造が安定する現象を利用した方式です。得意な計算が異なってくるため、内容に合わせて使います。
今回東大と日本IBMで発表したゲート方式が対象となる応用分野としては、色々な組み合わせを試して良い組み合わせを見つける問題(組み合わせ最適化問題)などに対して使えるということで、創薬などの分野や化学の分野で新しい素材を開発するときなどへの利用が期待されています。従来のコンピュータと比較して早く見つけることができれば、開発力の向上が期待できます。
まとめ
今回は量子コンピュータについて書きました。今回商用の量子コンピュータが利用できる環境が日本にできたことで、高い計算能力を活用して、いろいろな新しい物質の発見につながれば、大きな進歩があるかもしれません。
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