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2023.05.30タイムレスな子供の教育

【Part2】通信プロトコルの階層モデルについて(高校情報I)

こんにちは!タイムレスエデュケーションの鈴木です。毎月「高校情報Ⅰ」に沿って記事を投稿しておりますが、先月は「【Part1】通信プロトコルと階層モデルについて」の記事を投稿させていただきました。本日は前回の続きとして、2層「インターネット層」、1層「ネットワークインターフェイス層」について紹介させて頂きます。まだ前回の記事を読んでいない方は、「【Part1】通信プロトコルと階層モデルについて」を読んで頂けると幸いです。


2層 インターネット層


IP ( Internet Protocol )を使って、データを目的のコンピュータに届ける役割がある層です。ネットワークに接続されたルータはルーティングテーブル(経路制御表)と呼ばれる経路情報を持ち、その情報を元に最適な経路を導き出すことができます。これをルーティング(経路制御)と言います。


IPアドレス


TCP/IPネットワーク上のすべての通信機器に割り当てられる固有の番号です。32ビットで構成されるIPv4を利用していましたが、通信機器の増大により、現在は128ビットで構成されたIPv6への移行が進められています。


◆IPv4


IPv4は32ビットで構成され、8ビットで区切り10進法で表記されています。



また、大きく「グローバルIPアドレス(パブリック)」と「プライベートIPアドレス(ローカル)」の二つに分類されています。「グローバルIPアドレス(パブリック)」はインターネットに接続する機器に割り当てられるIPアドレスであり、「プライベートIPアドレス(ローカル)」はインターネット接続を必要としないプライベートネットワーク(社内LANなど)で使用できるIPアドレスです。同一ネットワーク内で重複しないようにします。また、以下の表のようにIPアドレスにはAからEのクラスに分類されています。



◆サブネットマスク


サブネットマスクとは、ネットワーク部とホスト部を可変的に識別するためのものです。例えば300のホストを作る場合、上記アドレスクラスを見るとクラスBを使用しますが、明らかに無駄が出てしまいますね。そのため、ネットワーク部とホスト部を可変的に識別することでアドレスクラスの場合よりも無駄を省くことができます。例えば、IPアドレスが「192.168.0.1」で、サブネットマスクが「255.255.255.0 」と表記されているとします。この場合、サブネットマスクの2進数表記の「0」となっている箇所はホスト部として扱うことを指します。以下の例では、IPアドレスの「1」つまり、「00000001」がホスト部として識別されることを意味します。



他にもプレフィックスという表記があり、「192.168.0.1/24」と表記されている場合、「192.168.0.1」というIPアドレスのうち先頭から「24」ビット目までがネットワーク部であることを示します。



◆IPv6


IPv6は128ビットで構成され、16ビットごとに8つに区切り、16進数で表記します。インターネットで利用する一般的なユニキャストアドレスは、上位64ビットを「サブネットプレフィックス」、下位64ビットをインターフェースIDとします。IPv6にもいくつかの種類がありますが、簡単な概要のみ紹介とします。



ルーティング


それぞれのルーターには、ルーティングテーブル(経路制御表)と呼ばれる経路情報を持ち、その情報を元に最適な経路を導き出すことをルーティング(経路制御)と説明しましたが、このルーティングにも大きく二つの種類があります。


◆Static Routing


常に決められたルートを使ってルーティングをするルーティングプロトコルです。ルーター同士の経路情報のトラフィックが軽減され、またネットワーク負荷が比較的に少なくて済むという利点があります。また、ネクストホップ(次に通る経路)がダウンすると経路がなくなり通信できなくなるデメリットがあります。


◆Dynamic Routing


ルーター同士で経路情報のやりとりをし、常に最適なルーティングテーブルを更新していく方法です。手動でルーティングの設定が不要で、障害発生時にも迂回ルートで通信が可能です。ここでいう最適なルーティングとは、ルートが確立し、最短であり、混雑を避けた経路であることを考慮したルートを指します。


1層 ネットワークインターフェイス層


別名リンク層とも言います。隣接するコンピュータ間の通信を可能にすることが役割上位層から送られた0と1で表現されたビット列を電気信号や光信号、無線に変換し、LANケーブルや無線でデータを送ることができます。


PPP(Point-to-Point Protocol)


通信回線をはさんで2つのコンピュータがデータ通信するプロトコルです。RFC(Request for Comments)で標準化されているため、異なるベンダーの機器間でも接続することが可能です。また、大きく「LCP (Link Control Protocol)」と「NCP (Network Control Protocol)」の二つのプロトコルから構成されています。概要だけ伝えると、「LCP」はリンクの確立、監視、切断などを制御し、「NCP」はネットワーク層の設定を行います。そのため、「NCP」はネットワーク層のプロトコル毎に存在します。


Ethernet(イーサネット)


パソコンなどの信号をやり取りするためのケーブルの規格のことを指します。身近なものとして、LANケーブル、光ファイバーなどがあります。


PPPoE(PPP over Ethernet)


PPPの機能をEthernet上で利用するためのプロトコルです。PPPは、電話回線を使ったダイヤルアップ接続でインターネットにアクセスしていた時代に用いられていたルールです。そして、インターネット通信技術の発達で、ADSLなどの高速インターネット回線が登場し、ADSLを利用するときにはPCとADSLモデム間を、イーサネットで接続する必要があり、PPPoEが作られました。


IPoE(IP over Ethernet)


IPに則って、企業内のLANなどと同じ通信規格「イーサネット」(Ethernet)であり、直接インターネットに接続するプロトコルです。



 


まとめ


いかかでしたでしょうか。正直難しい話だったとは思いますが、これらが高校生の情報Ⅰの教科書に記載されているんですね。時間が経てば、世の中の一般常識になっていく内容です。また、大学入学共通テストの試作問題もでていますので、一度問題を解いてみるのも良いかと思います。最後まで記事を読んで頂きありがとうございました。


参考文献:


黒上晴夫、堀田龍也、村井純、「情報Ⅰ」、日本文教出版株式会社、2022年1月


【初心者でも分かる】PPPoE方式とIPoE方式の違いとメリット


 

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