2021.04.30ブログ
「X-Tec」1:HRTech(人材×IT) 〜採用活動に対するAI活用〜
こんにちは。タイムレスエデュケーションの山口です。近年のIT技術の進歩により、「 X-Tec(クロステック)」と銘打ち、IT以外の業界とテクノロジーを組み合わせた、新しいサービスやシステムの開発が進んでいます。今回は、人材とテクノロジーを組み合わせたHRTechの事例として、ソフトバンク株式会社で行われているAIによるエントリーシート(以下ES)選考の取り組みについて紹介します。
◆人材採用による採用コスト
企業の人材採用には、膨大なコストがかかります。大きい企業では、ES提出のピーク時に採用担当者が1日数百件ものESをチェックする日が何日もあり、他の業務を圧迫してしまうことも多いそうです。ソフトバンク株式会社では、ESの選考のために、1年間で約680時間の工数を費やしていたそうです。
◆AIによるエントリーシート選考
プレリリースによると、ソフトバンク株式会社では、2017年よりエントリーシート選考にIBM Watson日本語版(以下Watson)を活用しています。まず、Watsonに一定数のESのテキストデータを読み込ませ、精度が上がったかどうかを検証します。この作業の繰り返しにより、Watsonに合否判定の基準を学習させます。過去のデータを学習させたWatsonに応募者のエントリーシートデータを読み込ませると、IBM WatsonのAPIの一つであるNLC(Natural Language Classifier、自然言語分類)により、項目ごとに評価が提示される仕組みです。合格基準を満たす評価が提示されたESについては、選考通過とし、それ以外のものについては人事担当者が内容を再度確認し、合否の最終判断を行うようです。
◆AI活用の効果
一つのESを選考する場合、人間は約15分ほど必要ですが、Watsonなら約18秒で合否判定を出すことができます。人間は、AI判定で不合格となったESのチェックだけを行えば良いので、ES選考に費やしていた工数を約500時間削減することに成功し、およそ75%の作業工数削減につながる見込みだそうです。
ソフトバンク株式会社では、2020年より動画選考にもAI活用を行い、70%の作業工数が削減できる見込みであることもプレリリースにて発表しています。削減された工数は、就労体験型のインターンシップの拡充や、求めるスキルを持つ人材へのアプローチなど、応募者とのマッチングを促進するための新たな取り組みに充てていくとのことです。
◆まとめ
今回紹介したソフトバンク株式会社以外でも、採用活動にテクノロジーを導入する企業は増加しています。例えば、リクルートでは、ES選考にAI活用を開始しました。また、キリンホールディングスでは、新卒採用のエントリー動画選考でAIを活用する実証実験を行っています。テクノロジーを導入し、単純業務の作業時間削減を図ることで、人間がより価値のある業務に工数を費やすことができるようになります。今回紹介したES選考を行うAIシステムは、ノウハウを持つAI関連部署と一定の技術的な素養を持った一人の採用担当者がたった3ヶ月で完成させたそうです。業界にかかわらずテクノロジーの導入が進んでいる今の時代では、プログラムに関する基礎知識や技術を習得することで、活躍する人材になることができます。ぜひ、この機会にプログラミングを学習して、そういった力を身に着けてみませんか。
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