2023.09.30タイムレスな子供の教育
ファイルシステムの規格について
こんにちは!タイムレスエデュケーションの日高です。
突然ですが、皆さんはUSBメモリを使おうとした時に、「フォーマットしますか?」というメッセージを見たことはありませんか。フォーマットというのは初期化のことですが、実はUSBメモリをフォーマットする際には、ファイルシステムを選ぶ必要があります。Windowsのパソコンを利用されている方の場合、ファイルシステムの選択画面で「FAT32」や「NTFS」という単語を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、USBメモリをフォーマットしたくても、どのファイルシステムを選べば良いか分からない!という方も多いかと思います。そこで本日の記事では、ファイルシステムの規格に、どのようなものがあるのかについて説明させて頂きます。また、それぞれの規格が持つ特徴の違いに関しても解説させて頂きます。是非、最後までお読み下さい!
<OSによって異なる規格>
実は、ファイルシステムの規格はOSによって異なります。具体的には、下記の表に記載されているような形となっています。
例えばWindowsでは、FAT(File Allocation Tableの略称)やNTFS(New Technology File Systemの略称)と呼ばれるシステムが利用されています。またMacではHFS(Hierarchical File Systemの略称)+や、APFS(Apple File Systemの略称)というシステムが使われています。
それぞれのファイルシステムが持つ特徴は異なるので、以下では、その違いについて見ていきましょう!
- Windows -
・FAT
FATは、マイクロソフト社がWindow以前に開発したコンピュータで利用されていたファイルシステムです。Windowsがリリースされる前から採用されていた事もあり、当初は500KBほどの小さな容量のファイルしか扱うことができませんでした。
その後は、機能が拡張されて「FAT16」や「FAT32」という規格が出て来ました!前者はWindows95、後者はWindows XPやWindows Vistaなどで使われていますね。これらの規格では扱えるファイルサイズが大きくなっており、FAT16では最大容量が2047MBとなりました。またFAT32では、最大容量が2TB(テラバイト)まで増えました。ただ暗号化機能と圧縮機能が実装されていないので、セキュリティの面では良くないと言えますね。
・NTFS
次に、NTFSに関してです。この規格はFATの進化版ということもあり、現在Windowsのファイルシステムとして主流になっていますね。保存機能はもちろん、暗号化機能と圧縮機能も実装されているので、セキュリティの面で大幅に向上しました。またジャーナリング機能(ファイルの変更履歴を保存する機能)も付いているので、FATと比較するとより堅牢なシステムと言えます。ただMacではファイルの読み込みしかできず、ファイルに変更を加えることができないので、要注意です。
- Mac -
・HFS+
HFS+というファイルシステムは、HFSの拡張版として1998年にMac OSに導入されました。最大容量が8EB(エクサバイト)と大容量のデータに対応しているのに加えて、ファイルを32ビットで管理している事が特徴です。1985年から元々使われていたシステムはHFSと呼ばれており、このシステムの最大容量は2TBでした。またファイルの管理は、16ビットで行っていました。この事からも、HFS+の性能が向上していることが分かると思います。
更に、HFSには実装されていなかった暗号化機能やジャーナリング機能が、HFS+には追加されました。これによって、HFS+はより堅牢なシステムとなりました。しかし、Mac OSにしか対応しておらず、Windowsとの互換性は無いので、注意して下さいね。
・APFS
APFSは、Apple社が2016年に発表した新しいファイルシステムです!このシステムの特徴の1つは、ファイルをコピーする速度が速いことですね。コピーの速度が上がったのは、複数の処理を並行して実行する、マルチスレッドと呼ばれる仕組みが使われているからです。
またAPFSではファイルを64ビットで管理しているので、より多くのファイルを扱えるようになりました。ただHFS+と同様、Windowsには対応していないので、ご注意下さい!
まとめ
今回の記事では、ファイルシステムには複数の規格があること、規格により持っている機能が異なることなどについて紹介させて頂きました。ただ実は、今回説明させて頂いた規格が全てという訳ではありません。この記事では主要な規格についてのみ説明させて頂いておりますが、この記事を読んでファイルシステムの規格に興味を持って下さった方は、他にはどのような規格があるのかご自身で調べてみて下さいね。
次回は、情報Ⅰの教科書の中で扱われている内容を取り上げる予定です。記事の更新を楽しみにお待ち下さい!今日も最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました!!
参考文献: