2025.04.11ブログ
2025大学入学共通テスト 情報I 問題解説 第2問:スーパーマーケット Part1
皆様、こんにちは。タイムレスエデュケーションの鈴木です。
2025年大学入学共通テストの問題解説の続編です。前回は、大学共通テストの情報Ⅰにて出題された「IPアドレス」について解説しました。今回は第2問のスーパーマーケットの情報管理システムの問題を見ていきます。全部で4問ありますが、情報量が多いので整理しながら見ていきましょう。よろしくお願いします。
出題内容
高校生のYさんは、職業体験のため全国チェーンの総合スーパーマーケット 「LikeWing」駒谷南店を訪れている。レジを担当したYさんと店長の会話文を読み、後の問い(問1〜4) に答えよ。
Yさん: レシートにはたくさんの情報が印字されていますね(図1)。このレシー トには「ポイント会員ID」が載っていますが、ポイントカードは店側にとってどんなよいことがあるのですか?
店長:LikeWingでは、ポイントカードを作成する際に、お客様の名前,性 別、生年の三つの属性情報をポイント会員情報として登録してもらって います。そして、(A)ポイント会員情報とレシートに印字されている情報を組み合わせて分析することで販売促進につなげています。
Yさん:それらの情報には大切な情報も多いですよね。どう管理されているので すか?
店長:はい。ポイント会員情報とレシートに印字されている情報は、 LikeWing の本部の情報システムで一括して管理しています。(B)本部、 各店舗,商品を製造するメーカー、商品を店舗に配送する配送センター の間で情報をやり取りしていて、商品は本部が一括して発注し、配送の 指示を出します。
Yさん: LikeWing のネットショッピングサイトは有名ですね。そのネット ショッピングサイトと、この情報システムはつながっているのですか?
店長: 今まさに、連携を検討しているところです。これらが(C)連携するメ リットは多くあります。
問1
次の文章を読み、空欄 [ア] 〜[ウ] に入れるのに最も適当なもの を、図1の0〜8のうちから一つずつ選べ。ただし、空欄 [イ] [ウ] の解答の順序は問わない。
LikeWing 全体での「時間帯ごとの総売上額(消費税込)」の比較を行うには、図1の「購入時刻」と[ア]に表されている情報から分析する。また、「曜日別の各商品の購買の状況」を把握するには、図1の「購入日、曜日」と [イ] と[ウ]に表されている情報から分析する。
解答と解説
まず、[ア]の内容を確認しましょう。「時間帯ごとの総売上額(消費税込)」の比較と述べているため、時間と売上額が分かる項目を探しますが、「購入時刻」は確定しているので、金額が分かる項目を探してみましょう。考えられるのは「5. 商品の合計金額」と「7. お預かり合計金額」となりますが、売上としては「5. 商品の合計金額」が正しいですね。さらに、[イ]と[ウ]の内容を見ていきましょう。「曜日別の各商品の購買の状況」を把握したいので、購入曜日と各商品の売上が分かる項目を探しますが、「購入日、曜日」は確定しているので、各商品の売上が分かる項目を探しましょう。商品の個別の売上個数を表すために必要な項目は、「3. 商品コード、購入商品名」と「4. 購入した商品の個数」の2つです。各商品が何個売れたかが分かれば購買状況が分かりますね。解答をまとめると、空欄[ア]には「5. 商品の合計金額」が入り、空欄 [イ] [ウ] には、「3. 商品コード、購入商品名」と「4. 購入した商品の個数」が入ります。
学びのポイント
ではこういった内容がどのような意義があるのか考えていこうと思います。あまり価値のない個々の情報でも、上記の問題のように何か情報同士を組み合わせることで別の情報を得ることができ、新しいサービスへつなげることができます。つまり新しいビジネスを作り出すきっかけになるということです。例えば、「時間帯ごとの総売上額(消費税込)」が分かったとして、どんな新しいサービスが思いつくでしょうか。例えば、売上が多い時間帯にスタッフを増員するなど効率よく人材を配置するタイミングが予測できることが可能でしょう。また、「曜日別の各商品の購買の状況」が分かれば、品出しや仕入れのタイミングも効率化できそうです。どのような情報を組み合わせて、何が新しく分かり、それをどのように活用するか、これは業界を問わず今後必要なスキルですね。
問2
問2 下線部(A)の分析によって得られない情報として最も適当なものを、次の 0〜3のうちから一つ選べ。
0. 顧客が商品を購入した理由
1. 同じ顧客に、繰り返し購入される傾向がある商品
2. ある商品を多く購入している顧客の年齢層
3. 年齢や性別の違いによる、来店する時間帯の傾向
解答と解説
(A)ポイント会員情報とレシートに印字されている情報を組み合わせても得られない情報を選ぶとのことですが、先に解答を述べると「0. 顧客が商品を購入した理由」となります。購入理由を記録している箇所がないのでこれは簡単ですかね。一応他の選択肢も見て除外する理由を考えてみましょう。「1. 同じ顧客に、繰り返し購入される傾向がある商品」については、レシートに購入した商品の情報があるので、会員情報と紐づけて商品の購入個数を求めれば、購入頻度は算出できます。「2. ある商品を多く購入している顧客の年齢層」については、会員情報に顧客の生年が記録されているので、年齢別に購入商品の数が算出できます。「3. 年齢や性別の違いによる、来店する時間帯の傾向」については、一見来店時間はないのですが、購入日時が分かるのである程度予測はできますね。また、会員情報に年齢と性別が記録されているので、年齢や性別によって利用する時間帯は計算できるでしょう。つまり、解答は「0. 顧客が商品を購入した理由」となります。
学びのポイント
UnsplashのUX Indonesiaが撮影した写真
ここでのポイントは、得られない情報を得るためにはどうするかを考えるところでしょうか。顧客が商品を購入した理由は確かに分かれば新しいサービスにつなげることができます。単純にアンケートをしたとしても、忙しい顧客が全員答えてくれるのは難しく、たくさんの情報は集まらないですね。ただ、情報の捉え方によっては理由を分析できるかもしれません。例えば、何かと組み合わせて食材を買っていれば、ある料理を作るのだと理由を予測できそうです。また、以前買ったメーカーとは違うメーカーを選んだのであれば、メーカー同士の商品の違いを分析すれば理由が見えてきそうです。また、購入時刻は分かるので割引やキャンペーンのタイミングと重なっている時に購入数が増えればそれが理由かもしれません。アンケートも自由記述ではなく、簡単な選択式にするなど、やり方次第では直接顧客に理由を聞くことも可能です。
まとめ
少し長くなってしまうなので、今回はここで一度区切りとし、近日中にPart2として問3と問4の解説をさせていただきます。内容はいかがでしたでしょうか。落ち着いて見れば簡単ではありますが、時間が迫った状況下では読み間違いによるミスがあるかもしれません。今回の問題のように、どういった情報があれば便利なサービスを作ることができるかを考えるのは、これからの社会では業界問わず必要なスキルかと思います。プログラミング学習は、このような物事の本質を捉え、問題解決能力のスキルを高めるのに効果的です。「タイムレスエデュケーション」は、東京都文京区小石川、本駒込、新宿区下落合にてプログラミング&ロボット教室を開校しております。詳しいコースにつきましては、下記の「コースについて」からご確認ください。また、無料体験会も随時実施しております。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。心よりお待ちしております!